動物ずかん 〜ちょっと面白い動物の知識〜

「動物を知る、学ぶ、活かす」豆知識をお伝えします。

奥多摩むかし道を行く

今週は3連休だった為、奥多摩方面へ足を伸ばして自然観察をしてきました。

奥多摩駅奥多摩湖方面へ10km程度続く「奥多摩むかし道」と、

鳩ノ巣駅周辺のコースを探索してきました。

 

トータル12時間以上は歩き(笑)、

多種多様な生物を見つけられたので、こちらでご紹介したいと思います。

 

今回は「奥多摩むかし道」のお話です。

 

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奥多摩駅までやってきました。

AM6:00、むかし道に向けて出発です。

 

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駅付近では色々な種類の鳥たちが出迎えてくれます。

ヒヨドリが電線に止まっていました。

 

奥多摩むかし道に入ります。

奥多摩湖までは10km程度とのこと。

 

進んでいくと、色々な植物が目に付きます。

都市部の夏よりも多種の花が咲いています。

 

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タマアジサイ

 

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キンミズヒキ

 

虫も色々と発見しました。

 

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キタキチョウ

 

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スジグロシロチョウ

 

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シロカネグモの仲間

緑色が鮮やかで綺麗ですね。

 

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ニジュウヤホシテントウのペアです。

 

進んでいくと、大きなサイカチの木がありました。

 

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これは「槐木(さいかちぎ)」という地名の由来となった巨樹で、

天然記念物とのことです。

 

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コマユバチの仲間

顔だけが赤く、特徴的な姿をしています。

 

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イナゴモドキかイナゴの仲間の幼虫?

バッタ類は見分けが難しいです(汗)

 

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アミガサハゴロモの幼虫

ガの幼虫なのですが、カメムシのような体に白い毛が生えています。

体は小さくとても可愛らしい感じです。

 

吊り橋がありました。

 

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3人以上で渡ったらダメ」とのこと。

橋の真ん中にいくほど揺れ、結構怖いです(笑)

 

吊り橋を堪能したので、さらに先に進みます。

 

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トビナナフシの幼虫

 

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ナキイナゴ?

シャカシャカ鳴くんですが、鳴き方が高速で脚を動かす形なので、

かなりインパクトあります。

 

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ヤマガラ

 

そろそろ奥多摩湖なのですが、

ここらで3時間程ノンストップで散策しており

(写真撮りながらなので相当ノロノロ歩行です)、

他の場所も探索したかったので帰りはバスで帰る事を決意。

近くの「滝のり沢」から乗車することにしました。

 

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ゼニガサミズメイガ

綺麗で複雑な模様です。

 

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キバラルリクビボソハムシ

 

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ラミーカミキリ

パンダ模様です。パンダカミキリと名付けました笑

 

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オオツマキヘリカメムシ

 

滝のり沢に到着です!

 

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ここまで4時間程度掛かりました。

帰りバスがなかったらしんどかった。。

 

この数時間歩いただけで、これだけたくさんの生物に会えました。

(載せるのを割愛したものもたくさんいます)

 

奥多摩はとても自然豊かな場所ですね。

 

鳩ノ巣でも多くの生物に出会えたので、

そちらもまたどこかでご紹介したいと思います!

食物連鎖の頂点に立つ三日月 - ツキノワグマ

今回は、ニュースでも取り沙汰されている、ツキノワグマについてご紹介します。

 

クマは日本で2種のみ生息しており、ツキノワグマは、本州/四国に生息しています。

かつては九州にも生息していましたが、

2012年に九州のツキノワグマは絶滅と認定されてしまいました。

 

ちなみにもう一種はエゾヒグマで、北海道に生息しています。

 

ツキノワグマは全身が黒い毛で覆われ、胸に白い三日月(V字)の模様があります。

ご存知かと思いますが、この三日月が名前の由来となっています。

 

大きさは、平均的な個体で110~130センチ程度、

体重はオスが80キロ程度、メスが50キロ程度です。

世界のクマ類と比べると、小型~中型の種になります。

 

ツキノワグマの身体能力についてですが、

ツキノワグマ視力が弱く、聴力と嗅覚が優れています

特に嗅覚は犬並みに良いと言われています。

 

運動能力は高く、なんと時速50km以上で走ることができます。

また大きな体を持ちますが、泳ぎや木登りも得意です。

 

さらに前足は筋力が発達していて、爪も鋭く固く、強力な武器になります。

人身被害の多くはこの爪による裂傷のようです。

 

食性について、

クマというと川で鮭を取っているようなイメージがありますが、

これはヒグマの方です。

 

ツキノワグマは雑食性ですが、主に山菜や木の実などの植物が中心です。

あとは蛋白源としてアリやハチの巣を探して食べたりします。
プーさんのイメージですね。

 

さらに動物の死骸も好んで食べます。

なので、クマに出会った時の「死んだふり」はむしろ逆効果で、

迷信であることになりますね。

 

ちなみにツキノワグマはあまり縄張り意識を持っておらず、

餌を求めて広範囲に移動をする傾向があります。

餌を基準に移動する為、餌が不足している時は行動範囲を広げます。

この習性の為、山に餌が不足している時は、民家に出没したりします。

さらに雑食性で人間の出すゴミも食べることも、

人里への出没する原因になっているようです。

 

ちなみにクマは冬眠すると言いますが、

実際には仮死状態になるわけではなく、

じっとしているだけなので「冬ごもり」という言い方が正しいようです。

 

さて、タイトルにあるように、クマは食物連鎖の頂点に立つ動物です。

上記だけでも、生態系に大きな影響を持つ動物ですが、

さらに生態系に影響を与えていることがあります。

 

ツキノワグマは、クマ棚という木の上に腰かけのようなものを作ります。

 

彼らは、冬に備えて大量の果実を食べますが、

その際ドングリなどの木に登り、木の実や果実のついた枝を折ってたぐり寄せ、

食べ終わった枝を自分のおしりの下に敷くという行動を繰り返します。

その結果、集まった枝が座布団のように棚状になるのです。

 

クマ棚ができると、その場所に枝葉のない空間ができ、

そこから光が林の中に差し込みます

このクマ棚の隙間の光を受けて、多様な植物が育ちます。

植物が育って花が咲き、そこに虫が集まり、さらに鳥が集まり・・・

と、クマ棚をきっかけに生物多様性の連鎖が発生するのです。

 

このように、クマは森林の生態系に大きく貢献しているのです。

 

里山の方では、人とクマとの距離感が変わってきているようですが、

クマは自然が豊かであることの象徴でもあります。

今後もクマとのバランスを取ってうまく共生していきたいですね。

幻想的な光を放つ虫 - ゲンジボタルとヘイケボタル(その2)

幻想的な光を放つ虫 - ゲンジボタルとヘイケボタル(その1) - 動物ずかん 〜ちょっと面白い動物の知識〜

 

↑前回の記事に引き続き、ホタルについてご紹介したいと思います!

 

前回は、ゲンジボタルヘイケボタルの関係についてご紹介させていただきました。

 

今回は、驚くべきホタルの「発光能力」についてご紹介します。

 

ホタルの発光の仕組みは、とても注目されている能力です。

その理由は、地上で最も効率が良いとされている発光の仕組みだからです。

つまり、とっても省エネなのです。

 

白熱灯=約10%

蛍光灯約20%

LED約30%

に対し、ホタルの光はなんと88%と言われています。

無駄な熱を出さないことから、「冷光」と呼ばれます。

(最近の研究では41%とも言われますが、それでも地上最高効率です)

 

ホタルの発光物質はルシフェリンと呼ばれ、

ルシフェラーゼという酵素ATPがはたらくことで発光します。

 

人間がこの発光メカニズムを応用としましたが、一つの壁がありました。

 

発光体ルシフェリンとATPは化学合成で大量生産できるのですが、

酵素であるルシフェラーゼはホタルからしか獲れなかったのです。

1グラムのルシフェラーゼを抽出するのに、10万匹のホタルが必要とのことでした。

 

しかし、今では技術の進歩によってルシフェラーゼを増殖させることができるようです。

 

 

このようにホタルの発光メカニズムをご紹介して来ましたが、

この発光メカニズムの実用化として、食品衛生検査への応用があります。

 

食品の衛生検査では、

・汚染微生物=食品の腐敗に関与

・汚れ=微生物の温床となる

を検査しますが、

これらにはATPが含まれており、ルシフェラーゼで検査することができます。

この検出方法は、簡単で正確なので、食品産業や医療分野などで利用されています。

 

照明の省エネルギーなどについての実用化はまだ先のようです。

 

なお、ホタルの発光は成虫の姿でのイメージが強いですが、幼虫も発光することができます

幼虫は、腹部末端付近の体節に発光器を持つものが多いです。

 

 

最後にホタルは、日本人に古くから馴染みのある虫です。

 

奈良時代の720年の日本書紀に初めて文字として著されています。

 

平安時代でも「万葉集」や「源氏物語」で、蛍の文字が出てきます。

 

枕草子」では、

 

「夏は夜。月のころはさらなり、蛍の多くとびちがいたる」

 

と記されており、

ホタルは夏の風物詩であったことがわかります。

 

このように、ホタルは古来から日本人の心を癒してきたんですね。

 

幻想的な光を放つ虫 - ゲンジボタルとヘイケボタル(その1)

幻想的な光を放ちながら夜空を舞う、夏の風物詩「ホタル」。

 

日本には、約50種類ほどのホタルが生息しています。

ホタルといえば、「発光」が大きな特徴ですが、

すべてのホタルが発光するわけではなく、発光するのは10数種類程度とのことです。

 

今回は、この中でも代表的な種である

ゲンジボタル」「ヘイケボタル

についてご紹介します。

 

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まず、ゲンジボタルについて

ゲンジボタルは、日本にしか生息していない、日本固有種です。

 

日本で見られる最も大きいホタルの種で、

体長はオスは15mm、メスは20mm程度です。

発光についても、ホタルの中で最も強い光を放ち、数秒間隔で明滅します。

 

幼虫はイモムシのような外見ですが、

尾の部分を成虫同様に発光させることができます。

幼虫は川の中で過ごし、清流の流れのゆるい所でカワニナを捕食して成長します。

「ホタルは川の綺麗なところでないと生きられない」と言いますが、

それは餌のカワニナが清流でないと生息できないためです。

 

幼虫の時に栄養を蓄え、成虫になります。

成虫は幼虫の時の栄養を使って過ごし、水分を摂取するのみで断食モードになります。

 

成虫の活動時期は6月上旬〜6月下旬で、2週間程度しか活動できません。

 

ゲンジボタルは先述の通り、綺麗な川でしか生きられない為、

町ぐるみで保護されている場所も多くあります。

 

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次に、ヘイケボタルについてです。

ヘイケボタルは日本だけでなく、シベリアから朝鮮半島まで分布する種です。

 

体長はオスが10mm、メスが12mm程度です。

また、発光はあまり強くなく、発光時間は1秒程度で明滅します。

 

ヘイケボタル水田、湿原といった止水域に生息します。

幼虫の餌になるのは、モノアラガイなどです。

 

活動時期は7月頃〜8月頃で、オスは7日間、メスは10日間程度活動します。

ゲンジボタルのように、短い期間に集中的に発生するのではなく、

発生の密度は高くなりません。

 

水田への農薬散布や水田周辺の環境変化によって、数が激減しています。

ゲンジボタルと異なり、ヘイケボタルの保護活動はほとんどないようです。

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以上、2種のホタルですが、

「ゲンジ」と「ヘイケ」という名前の由来が気になりませんか?

 

かつて、ゲンジボタルオオボタルヤマボタル。

ヘイケボタルコメボタルと呼ばれていたそうです。

 

そこから今の名前がついた由来は諸説あるようなのですが、

 

ゲンジボタルの名の由来は、

①優雅な光を放つ様が、源氏物語の主人公「光源氏」になぞらえたという説

②平家打倒の夢破れ、無念の最期を遂げた源頼政の想いが蛍にたとえられ、

 源頼政が亡霊になり蛍となって戦うと言う伝説にも由来しているという説

があるようです。

 

ヘイケボタルの名の由来は、

もともと名付けられていたゲンジボタルと対比し、

源平合戦にちなんで、小型である方=敗北した方という意味で

ヘイケボタル」と名づけられた。

との説があります。

 

 

では、特徴的なホタルの「発光」の能力について・・・

 

といきたいところですが、

ちょっと長くなってしまうので、

そちらについては次回の記事でご紹介したいと思います。

 

次回、ゲンジボタルヘイケボタル(その2)をお待ち下さい!

自然観察指導員になりました

先週、研修合宿に参加し、自然観察指導員となりました。

 

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自然観察指導員とは、日本自然保護協会が認めるボランティアリーダーのことです。

自然観察指導員は、資格といった類のものではなく、

自然観察会などを通じて自然を愛する人を増やしていく役割を担っています。

特別な資格は必要なく自然に関する活動意欲がある人なら誰でも活躍できます。

 

私は、自身の活動を通じて、

自分自身を含む地域に暮らす人が自然をもっと楽しめる社会を作りたい

と思っています。

 

その為に、以下を課題として活動していくつもりです。

①自然を好きになってくれる人を増やす

②自然により親しむ方法を伝えていく

 

上記の活動をしていくにあたって、

自然保護協会の存在と自然観察指導員としての活動が

大きな助けになると考えた為参加させていただきました。

 

①については、

観察会などを通じて、自然の面白さ・楽しさをお伝えしていきたいと思っています。

私のITエンジニアとしてのキャリアを活かして何かできないかと模索中です。

なお、このブログもその一環です。

 

もともと自然が好きな方には、もっと好きになってもらう。

虫が苦手な方には、虫の面白いところ・素晴らしさを伝えてむしろ好きになってもらう。

自然に無関心な方に、まずは興味をもってもらい、最終的に好きになってもらう。

 

こんな活動をしていきたいですね。

 

②については、

現社会において、自然に対する関わり方に課題や改善点があると思っており、

より良くする方法を考えていきたいし、より良い関わり方を伝えていきたいと考える点です。

 

自分が思う改善点の1例として、

幼少期の自然への関わり方の教育」があります。

 

例えば、子供はとかく虫を捕まえることに夢中になることがあります。

虫を見つけたら捕まえて虫かごに入れる。見つけた虫の数で競争することもあります。

かくいう自分も、子供の頃は1日中公園を走り回って、

虫かごいっぱいにカナブンやバッタを捕まえていたものです。

この場合、虫との関わりよりも「捕まえること自体」が目的になっている場合があります。

 

ですが、動物と親しむ手段として考えた時に、

そのような大量の捕獲は必要なのか?

ということがあります。

 

捕獲しなくても観察することは可能です。

むしろ捕まえずにじっと見て観察することで得られるメリットもあります。

捕食や産卵のタイミングなど、動物がありのままの姿を見せ、

貴重なシチュエーションを見ることができるチャンスであったりします。

 

もちろん直に触れることも重要な体験であることは理解しています。

普段見られない姿が見られたり五感で動物を感じることができますので。

(極端な捕獲反対論を掲げるつもりはありません)

 

かつて北アメリカに約50億羽いたと言われる、

リョコウバトはヒトによる乱獲で絶滅しました。

 

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また、アメリカバイソンはかつて6000万頭いたと言われますが、

狩猟や乱獲によって一時的に1000頭未満まで激減しました。

 

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ヒトの手が介入することによって、野生動物が大きな影響を受けた歴史が数多くあります。

 

今、虫や動物が苦手な大人が増え、自然との関わりを正しく教育できる人は少なくなってきていると考えています。

そういった大人たちを導いたり協力体制を築いていくのも自然観察指導員の役割かと思っています。

 

できるだけ生態系にインパクトを与えず自然に親しむ方法を大人達が知り、

次世代に伝えて教育していくことで、

今見られる動物達を今後も見られるようにしていきたいですね。

 

 

長くなりましたが、今後色々と活動していこうと考えていますので、

このブログでも活動報告していきたいと思います。

 

よろしくお願いします!

カエルが鳴くと雨が降る? - ニホンアマガエル

今年もついに梅雨入りしました。

ということで、今回はニホンアマガエルについて紹介したいと思います。

 

ニホンアマガエルは日本で最も数の多い種で、日本で一番ポピュラーなカエルです。

 

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大きさは3~4cmぐらいで、メスの方がオスより大きいです。

肉食で、主に小さな昆虫類やクモ類を食べます。

動いているものを食べる性質があるので、死んだものや動かないものは食べません

 

皮膚からは、刺激性の毒液を分泌します。

手で触っても問題ないですが、毒液がついた手で傷口を触ると激しい痛みを感じます。

毒液が目に入った場合は失明することもあるので注意が必要です。

 

前足に四本、後ろ足に五本の指があり、指先には吸盤があります。

しかし、みずかきはほとんどありません。

 

カエルといえば水の近くで生活するイメージがありますが、

本種は卵を産むとき以外は水に入らず、主に樹上で生活します

 

本種は日本で最も多いカエルだとご紹介しましたが、

そうである理由が主に2つあります。

 

1つめは、比較的乾燥に強いことです。

近くに森がないところでアマガエルを見かけたことはありませんか?

上記のように乾燥に強いことから、生活場所の選択肢が広がります。

森や林に限定されることなく、ある程度湿度があるところであれば街中でも生活できるのです。

 

2つめは、発達した吸盤を持つことです。

森や林の中では垂直に木をよじ登る為に使われると思いますが、

この吸盤は生活場所が街に移っても活躍します。

例えばU字溝やコンクリート水路に落ちた場合、他のカエルは脱出することができなくなってしまいますが、

本種の場合は吸盤を使ってよじ登って逃げ出すことができます。

 

またニホンアマガエルの能力として、

自分の体色を環境の色に合わせて変化させることができます。

 

↓のように土の上では灰色っぽく、草の上では濃緑に体色変化します。

 

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カエルは農業を営んでいた日本人にとって馴染み深い動物です。

アマガエルが鳴くと雨が降るといわれ、農作業の目安にされていました。

 

なぜ雨が降るのがわかるのかというと、

アマガエルは皮膚が薄く、湿気や気圧の変化に敏感なため

天候の変化に反応して鳴くのだそうです。

この時の鳴き声は「雨鳴き」「レインコール」などと呼ばれています。

雨蛙」の名に違わない能力ですね。

なお、カエルたちが鳴くのは空が暗くなってからです。

明るい時に鳴くと、天敵の鳥などに見つかりやすい為です。 

 

また、カエルは俳句でも活躍する動物です。

芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」は有名ですね。

「蛙」は春の季語で、「雨蛙」は夏の季語になります。

 

以上、梅雨の季節に活躍する、ニホンアマガエルの紹介でした。

精霊の宿る木 - ガジュマル

今日は、沖縄で出会った生物として、

沖縄に自生する植物、ガジュマルについて紹介したいと思います。

 

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↑は実際に沖縄に行って撮った写真です!

 

ガジュマルは、熱帯地方に分布するクワ科の常緑高木です。

ガジュマルの大きな特徴として、「気根」があります。

 

気根は、マングローブに生息する植物によく見られるもので、

満潮で冠水した時など、根を空気中に出すことで、

呼吸できるようにしたり、空気中の水分を出し入れします。

また、空気中の栄養分(窒素など)を取り入れる働きもします。

 

ガジュマルの場合、いくつもの気根を枝から出し、

地面に突き刺して支柱にします。

無数の気根が突き刺さっている姿は力強く、神秘的です。

 

この気根は非常に強いパワーがあり、

アスファルトやコンクリートを突き破る力があります。

アンコールワットの寺院では、ガジュマルの気根が侵食して建物を覆い、

一体化している様子が見られます。

 

そんな力強い姿からか、ガジュマルの花言葉は「健康」です。

 

ちなみに、ガジュマルには「絞め殺しの木」という別名もあります。

ガジュマルは他の木を宿主とし、寄生します。

寄生した木の幹に絡みつきがら成長していきます。

ですが、最終的には宿主を締め付けて枯らしてしまうのです。。

 

また、ガジュマルは古くから「聖木」「多幸の木」として神聖視されてきました。

 

沖縄では、「キジムナー」という精霊が宿ると言われています。

キジムナーは沖縄版の座敷童といったところで、

キジムナーに気に入られた家は繁盛すると言われています。

 

また、風水的にもガジュマルは金運や勝利運、結婚運を上げる効果があるとされているようです。

 

国外においても、ガジュマルの一種であるインドボダイジュは、

ヒンドゥー教仏教において神聖樹として扱われており、

寺院などにも好んで植えられています。

 

以上、沖縄で出会った生物の紹介ひとまずここで最終回としたいと思います。

ではまた次回まで。