カエルが鳴くと雨が降る? - ニホンアマガエル
今年もついに梅雨入りしました。
ということで、今回はニホンアマガエルについて紹介したいと思います。
ニホンアマガエルは日本で最も数の多い種で、日本で一番ポピュラーなカエルです。
大きさは3~4cmぐらいで、メスの方がオスより大きいです。
肉食で、主に小さな昆虫類やクモ類を食べます。
動いているものを食べる性質があるので、死んだものや動かないものは食べません。
皮膚からは、刺激性の毒液を分泌します。
手で触っても問題ないですが、毒液がついた手で傷口を触ると激しい痛みを感じます。
毒液が目に入った場合は失明することもあるので注意が必要です。
前足に四本、後ろ足に五本の指があり、指先には吸盤があります。
しかし、みずかきはほとんどありません。
カエルといえば水の近くで生活するイメージがありますが、
本種は卵を産むとき以外は水に入らず、主に樹上で生活します。
本種は日本で最も多いカエルだとご紹介しましたが、
そうである理由が主に2つあります。
1つめは、比較的乾燥に強いことです。
近くに森がないところでアマガエルを見かけたことはありませんか?
上記のように乾燥に強いことから、生活場所の選択肢が広がります。
森や林に限定されることなく、ある程度湿度があるところであれば街中でも生活できるのです。
2つめは、発達した吸盤を持つことです。
森や林の中では垂直に木をよじ登る為に使われると思いますが、
この吸盤は生活場所が街に移っても活躍します。
例えばU字溝やコンクリート水路に落ちた場合、他のカエルは脱出することができなくなってしまいますが、
本種の場合は吸盤を使ってよじ登って逃げ出すことができます。
またニホンアマガエルの能力として、
自分の体色を環境の色に合わせて変化させることができます。
↓のように土の上では灰色っぽく、草の上では濃緑に体色変化します。
カエルは農業を営んでいた日本人にとって馴染み深い動物です。
アマガエルが鳴くと雨が降るといわれ、農作業の目安にされていました。
なぜ雨が降るのがわかるのかというと、
アマガエルは皮膚が薄く、湿気や気圧の変化に敏感なため、
天候の変化に反応して鳴くのだそうです。
この時の鳴き声は「雨鳴き」「レインコール」などと呼ばれています。
「雨蛙」の名に違わない能力ですね。
なお、カエルたちが鳴くのは空が暗くなってからです。
明るい時に鳴くと、天敵の鳥などに見つかりやすい為です。
また、カエルは俳句でも活躍する動物です。
芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」は有名ですね。
「蛙」は春の季語で、「雨蛙」は夏の季語になります。
以上、梅雨の季節に活躍する、ニホンアマガエルの紹介でした。