動物ずかん 〜ちょっと面白い動物の知識〜

「動物を知る、学ぶ、活かす」豆知識をお伝えします。

四国にまつわる神獣 - タヌキ

今回はタヌキについてご紹介します。

 

タヌキはイヌ科の動物で、ずんぐりした可愛らしい体型を持ちます。

 

身体能力としては、イヌ科の中では泳ぐのがうまく、木登りも得意です。

木に登って木の実や果実を取ることができます。

その代わりに陸上を走るのは速くありません。

 

また臭覚および聴覚に優れていると言われています。

視覚はあまり良くありません。

 

タヌキは夜行性です。

昼間は草の茂みや木の洞などで休み、夜になると餌を探して移動します。

食性は雑食で、街の近くでは人間の残飯を求めて人里に出没することもあります。

 

タヌキは、決まった場所に糞をする「ため糞」という行動をする習性があります。

 

なぜそのようなことをするのでしょうか?

 

ため糞は情報交換に利用されていると言われています。

糞に入っている物から餌として食べているものを知ったり、

糞の状態から仲間の健康状態を知ったり、

といったことに利用しているようです。

 

またタヌキといえば、「タヌキ寝入り」という言葉があります。

いわゆる死んだふりというやつですね。

実はこれは実際のタヌキが行う行動です。

 

普段私たちがこの言葉を使う時は、

怠けであったり、サボったりする際に使われますが、

これは実際の状況とちょっと異なります。

 

タヌキはとても臆病な動物なのです。

敵に追われたり、驚いたりした時、

タヌキはそのショックで仮死状態になってしまいます。

 

つまり、「失神」しているのです。

 

厳密には完全な失神ではなく、脳がある程度覚醒しているとのことですが、

人間のイメージしている死んだふりとは少し異なるようですね。

 

 

 

さて、このようなタヌキですが、

昔は神の使いの動物として崇められていました。

四国はタヌキの伝説がおおく、聖地のようになっているみたいですね。

 

最も有名なものは四国の隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)

別名を八百八(はっぴゃくや)狸といって、八百八匹の狸を従えていたそうで、

すさまじい神通力を持っていたと言われています。

 

しかし他の動物信仰の発展によって廃れてしまったようで、

神の使いとして扱われていたころの、「不思議な力を持っている」という

イメージだけが残り、妖怪や化け物としての扱いを受けているようです。

 

かちかち山」の童話でも出てくるように、

狸は人を食う化け物として嫌われていたようですね。

※かちかち山は実は結構エグい描写がある童話なのです

 

もうひとつ、タヌキに関する

狸の金玉八畳敷きというお話をご紹介します。

 

タヌキのキン○マが非常に大きく描かれているものをよく見かけますね。

 

この由来について。

かつて金箔や銀箔を作る職人を「箔師(はくし)」と言いますが、

箔師が金箔を作る際には、「なめしたタヌキの皮」を使います。

タヌキの皮に金箔を包み、木槌で叩いて薄く引き伸ばします。

 

それにより、畳1畳ほどの金箔が薄ーーくなり、

なんと8畳ほどの大きさに引き伸ばされます。

これを「タヌキの金箔八畳敷き」と言いました。

 

ところが、誰かが「金箔」→「キンタマ」と置き換えたようなのですね。

これが「狸の金玉八畳敷き」の由来だそうです。

 

このように、タヌキは「金に関する神様」としての一面もあるようで、

タヌキ像が商売に関係する場所でよく見られますよね。

 

 

以上、タヌキのお話でした!