飛翔に特化した幸せの鳥 - ツバメ
今回は夏の鳥、ツバメについて紹介させていただきます。
初夏になると軒先に巣作りを始め、
夏の訪れを伝えてくれる身近な鳥です。
この愛らしいツバメですが、
実はこの鳥、
「飛翔能力」
にとっても優れているのです。
平均時速40〜50kmで空を自由に飛び回り、
敵から逃げる際はなんと時速200kmにも達すると言われています。
ツバメに近いサイズで、
これほどの速度で飛行できる鳥は他にいないそうです。
さらに、
飛行速度を急激に落としたり、
小さく旋回することができたり、
とにかく空を自由自在に飛び回ります。
ツバメがこれを可能にしているには、身体的な秘密があります。
ツバメは翼が大きく、細長い体型を持ちます。
長く切れ込みの深い二股形の尾は燕尾型と呼ばれます。
飛行に適した体型です。
脚は短く、歩くのは苦手です。
巣材の泥を求めるとき以外は地面に降りることはほとんどありません。
昆虫などの餌を食べる時も、飛翔しながら空中で捕食します。
水に関しても飛翔しながら飲みます。
また、瞬発飛行を可能にする為、軽量な体を持ちます。
ツバメの体重は17g程度ですが、ほぼ同サイズのスズメは25g程度です。
餌を高タンパク質の昆虫や幼虫を主食とすることによって、
脂肪を体内に貯め込みにくくしているのです。
この高度に飛翔に特化した体で、
冬は2000~3000kmほども離れた、台湾、フィリピンといった場所に行き、
越冬を行うのです。
冒頭でもご紹介した通り、
ツバメは民家の軒先など、人が住む場所で営巣します。
ツバメの天敵はハシブトカラスなどですが、
これらの外敵から巣を守るため、
人がガードマンとなるような場所に巣作りすると言われています。
日本においては、農業が盛んでしたから、
穀物を食べず害虫を食べてくれる益鳥として、
古くから大切にされていたようですね。
このようなツバメですが、近年個体数が減少しているようです。
原因は、
・里山、水田、耕作地が減少し、ツバメのエサとなる虫が少なくなっている
・西洋風家屋では軒がなかったり、壁面が加工されて巣が作りにくい
などのようです。
都心ではなかなか見られなくなっていますが、
どこかで見かけた時は、ツバメの子育てを暖かく見守ってあげたいですね。
以上、ツバメの紹介でした。