盆を告げる昆虫 - ショウリョウバッタ
こんばんは。
8月もわずかとなってしまいました。
8月後半は台風が多く、虫たちの姿を見に行ける日が少なかったので、
ここで虫のお話しをしたいと思います。
今回ご紹介するのは、ショウリョウバッタです。
漢字では、「精霊飛蝗」と書きます。
8月の旧盆(精霊祭)の時期から姿を現わすことが名前の由来と言われています。
5月頃に孵化し、3-4ヶ月程度で成長し、
大体このあたりの時期に成虫が見られるようになるんです。
今頃は近くの原っぱで、丁度成虫になった姿が見られる時期ですよ!
さて、このバッタの面白いのは、オスとメスの姿が著しく異なることです!
↑はオスの成虫
↑はメスの成虫
オスとメスで、体の大きさが全然違うんです。
オスは体長5cm程度、メスは8cm程度になります。
オスの方が小さい分、飛行能力が高く、
「キチキチキチッ」と鳴きながら飛行します。
これは飛行する際に前後の翅を打ち合わせて発する音です。
メスはほとんど飛行することはなく、飛行しても鳴き声は出しません。
この飛行中の鳴き声から、
「チキチキバッタ」とも呼ばれています。
メスは飛ばない代わりに体がガッシリしていて、パワーがあります。
ちなみにメスのサイズは、日本のバッタで最大の大きさです。
このメスを捕まえて後ろ足をそろえて持つと、
体全体を上下に大きく振るので、
「コメツキバッタ」や「ハタオリバッタ」と呼ばれています。
ショウリョウバッタの食性としては、
主にイネ科の植物の葉を食べます。
水田環境が好きで、稲の葉が主食草。
時期としても、稲刈りが始まる頃から発生し始めます。
なので、稲を育てる農家から見ると、
ショウリョウバッタは害虫とみなされているようですね。
こういった草原に住む昆虫は環境に合わせて擬態するものが多いです。
ショウリョウバッタもご多分に漏れず、体色変化します。
↑茶色のショウリョウバッタ。
これからの季節、バッタ目の昆虫が増えてくるので、
草むら地帯を観察するのが楽しみになりますね!
ではまた!