水陸両棲の危険な動物 - カバ
今回はアフリカ大陸に生息する大型草食性動物、カバについて紹介します。
体の大きさは陸上動物の中で2番目の大きさと言われています。
手足が短く、ブタみたいな体型ですが、遺伝学的にはウシに近いようです。
さらに、クジラとの遺伝関係が最も近い陸上生物とのことです。
さて、カバは陸上/水中の両方で生活をする動物で、
それぞれに適応する為の身体的特徴があります。
水中生活においては、4-5分の潜水が可能です。
水中ではカバは泳ぐのではなく、歩くように移動するんですね。
体の比重が水より大きく体が水に沈むため、水底を歩いて移動します。
浮かぶ時は空気で肺を膨らませます。
逆に水中生活に適応する為に乾燥や紫外線に弱いです。
その為、赤/ピンク色の粘液を体表から出すことで、
紫外線から皮膚を守っています。
これが「血の汗」とか呼ばれているものです。
こんな特徴を持つカバですが、
アフリカの地元の人たちには結構恐れられている動物なんです。
というのは、アフリカでは年間約3000人もの人がカバに襲われて死亡しているのです。
これは野生動物による被害で最も多い数字です。
これはカバの姿で描かれることが多いようです。
日本のゲームでも、「ベヒーモス」「ビヒモス」のような名前で敵キャラとしてよく登場しますね。
これは、カバが昔から人に恐れられていたということではないかと思います。
それにしても、アフリカにはライオンやワニといった猛獣はたくさんいるのに、
なぜカバによる被害がこんなに多いのでしょうか?
それはカバが非常に縄張り意識が強い動物だからです。
カバは縄張りに入ったものに対しては、
ライオンだろうとワニだろうと容赦なく襲いかかるのです。
カバは陸上では時速40-50kmもの速さで走れます。
100m10秒で走るオリンピック選手よりも速いです。
カバは下顎に50cmもの牙を持っています。
また顎の力が非常に強く、150度の角度で口を開くことができます。
こんな顎で噛みつかれたらひとたまりもありませんね。。
ちなみにカバは縄張りのマーキングの為に、
糞を撒き散らす「撒き糞」という行為をします。
犬や猫は尿でマーキングしますが、なぜ糞なのでしょうか?
それは、水中生活において液体の尿は流れてしまうので、
水中でも流れず匂いが残る糞を残しているのですね。
日本でもクマによる被害はニュースで出たりしますが、
野生生物の縄張りに入ることの危険性は知っておいた方が良さそうです。
以上、カバのお話でした。