かつて妖怪と言われたイタチ - カワウソ
動物園などで人気者のイタチ科の動物、カワウソ。
可愛らしいカワウソくんですが、
昔は妖怪とされて嫌われていました。
かつて日本ではタヌキ、キツネと同様に、
人を化かす動物とされて怖がられていたんですね。
鳥山石燕(せきえん)の妖怪画集「画図百鬼夜行」の「獺(かわうそ)」にも、
妖怪として登場しています。
また、カワウソが河童の正体という話も多くあるようです。
よくオカルト番組なんかで紹介されたりするような、
河童のミイラの手は、カワウソの手だったということもあるみたいですね。
カワウソは川魚を食料とする為、
世界的に人間から害獣とみなされていた経緯もあり、
悪い印象を持たれていたのかもしれませんね。
ちなみに、残念ながら現在日本で野生のカワウソは見られません。
かつて日本に生息していたニホンカワウソは、
水中での保温性が高い良質な毛皮を持っていたので、
それ目当ての乱獲が行われてしまいました。
そのほか、開発などによる生息域の減少などが原因で絶滅してしまったようです。
ところでカワウソはとても賢くて器用な動物なので、
人間が芸を仕込んだりすることもできるんです。
アジア地域では、カワウソに魚やエビなどを網に追い込ませて漁を行う、
カワウソ漁というものが伝統的に行われていたそうです。
今でもバングラディシュでこのカワウソ漁が続けられています。
また余談ですが、
人気の日本酒「獺祭(だっさい)」の言葉の由来は、
獺(かわうそ)が捕らえた魚を岸に並べて、
まるで祭りをするようにみえるところからだそうです。
以上、今回はカワウソのお話でした。